百耕資料館 粉本デジタルアーカイブ

その他
雲谷等顔 雲谷等顔(1547~1618)は、肥前国藤津郡能古見(現佐賀県鹿島市)城主原豊後守直家の一族。通称治兵衛、名は直治。号は等顔、京都で狩野派に学び、その後天正18年(1590)に広島城主毛利輝元に召し抱えられました。文禄2年(1593)、輝元より雪舟の「山水長巻」とその旧居雲谷軒を拝領すると同時に出家し、名も庵号の雲谷と雪舟の諱等楊の1字をとって雲谷等顔と改め、雪舟の画系を継承。以後、毛利氏の居城のある萩(現山口県萩市。関ヶ原合戦のあと転封)や山口地方にとどまらず、京洛の禅宗寺院や江戸の藩邸などでも障壁画を制作し、その名は中央画壇にも知られました。雪舟の水墨法を受け継ぎつつ、精緻で謹直な表現を用いた山水・人物の水墨画を多く残しました。
墨江武禅 墨江武禅(1734~1806)は、大坂の人。姓は墨江、太、名は道寛または寛。通称は与兵衛のち荘蔵。字は子全。武禅のほか蒙斎、心月、濛濛斎、墨江斎などと号しました。大坂舟町(現大阪市西区)に住み、永田屋を屋号とする船頭でしたが、浮世絵師の月岡雪鼎に絵を学んでこれを本業とし、師が得意とした肉筆美人画を描く一方で、中国絵画や雪舟流を研究、緻密な描写による山水画に佳品を残しました。彫金家としても知られ、石を据えた鉢に草木や置物を配し、山水の縮景とする占景盤を手掛けて評判となりました。
栗本玉屑 栗本玉屑(1752~1826)は、俳人。名は観応。号は無夜庵、肥後熊本の人と伝えられますが、播磨国米田村神宮寺(現同高砂市)・淡路国普済寺(現兵庫県淡路市)の住職を務めました。俳諧は栗の本第一世の松岡青蘿に師事し、青蘿の没後、淡路から青蘿が暮らした栗本庵のある加古川に移住、栗の本第二世を継承しました。また、師の芭蕉顕彰事業を引き継ぎ、各地に芭蕉句碑を建立したほか、青蘿に引き続き二条家俳諧宗匠も務めています。
酒井抱一 酒井抱一(1761~1828)は、名は忠因、幼名は善次、通称栄八、字は暉真。号は抱一のほかに庭柏子、鶯村、杜綾、屠龍、尻焼猿人など。のちの播磨(現兵庫県)姫路藩主酒井忠以の弟として江戸で生まれました。37歳で剃髪して等覚院文詮暉真と称しました。絵は初め狩野派を学び、次いで浮世絵、沈南蘋の写生画風、さらに円山派、土佐派にも手を染めましたが、特に尾形光琳に深く私淑。文化12年 (1815)の光琳百回忌にちなんで『光琳百図』『尾形流略印譜』を刊行、琳派の装飾性に独自の繊細な感覚ももりこんだ画風を確立しました。また、若年より俳諧や狂歌を嗜み、俳諧では句集『屠龍之技』が知られます。
中井藍江 中井藍江(1766~1830)は、大坂の人。名は直。字は伯養または子養、養三。通称は養清。号は藍江、師古。絵は始め蔀関月に師事。のち自ら雪舟や中国の古画を学び、さらに四条派の写生画風も加味して自身の画風を確立、山水人物を得意としました。中井竹山に詩文をまなび、茶の湯もよくしました。
雪潭紹璞 雪潭紹璞(1801~73)は、臨済宗の僧。紀伊国牟婁郡高池村(現和歌山県古座川町)出身。俗姓は吉田。12歳の時大泰寺(現同那智勝浦町)で出家。行脚に出て美濃(現岐阜県)に至り、慈恩寺(現郡上八幡市)、竜福寺(現美濃加茂市)で修行。一時、紀伊に戻り大泰寺の住寺となりますが、再び来濃し、弘化4年(1847)、正眼寺(現美濃加茂市)に入寺。僧堂(修行場)を開き、修行の専門道場としました。雪潭は声の大きさから「雷雪潭」と呼ばれ、修行も厳しく、正眼寺は「天下の鬼叢林」と称されました。慶応元年(1865)隠居。同3年真如明覚禅師の号をおくられました。
堀江友聲 堀江友聲(1802~1873)は、出雲国大東(現島根県雲南市)の生まれ。幼名は森山善三郎豊信。母方の堀江家を継ぎ、青年期に雲峯・盛伯と号し、京都で海北家の養子となった折に名を海北斎宮介精一、字を友聲としました。別号に斧巖・豈楽斎・遷喬。幼少より絵を好み、文化14年(1817)、京都で山本探淵に師事。また四条派の柴田義董に私淑しました。20代で諸国を遊歴、天保元年(1830)、海北家の養子となりますが、翌年、養子縁組を解消され、出雲へ帰国。嘉永5年(1852)に広瀬藩(現島根県安来市)の御用絵師となり、以降は広瀬を中心に活動しました。緻密な描写と鮮麗な色彩による花鳥画が高く評価されています。
広拙 広拙は、当館収蔵の粉本を収集した武井伊右衛門(百耕、1845~1917)その人と考えられます。伊右衛門は、四条派に解説をのせた岡田広章からしばしば粉本を借用するなどして絵を学んでいたことが、その日記や晩年の回顧録から確認できます。伊右衛門については本ホームページの「百耕資料館とは」のページをご覧下さい。
不詳  

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