一般財団法人武井報效会百耕資料館

蟠龍図
蟠龍図
制作時期
写作(所蔵)年 天保2年(1831)
原作者 岸駒
写作者(所蔵者) 岸連山
法量 縦97.6cm×横119.5cm
解説 蟠龍(とぐろを巻いた龍)を描く本品は、裏面に「天開山大翁所図/蟠龍之図/天保二年辛卯冬十一月/天龍寺法堂天井之縮図/連山蔵」と記されていることから、天開山大翁(岸駒)が天龍寺法堂の天井に蟠龍の図を描き、それを弟子の連山が天保2年(1831)11月に手控え用の縮図として写し取ったことがわかります。天龍寺とは、もちろん京都嵯峨嵐山の禅刹霊亀山天龍寺のことです。天龍寺は、文化12年(1815)正月5日の大火で諸堂の大半を焼失し、その復興過程の文政10年(1827)2月、岸駒に客殿(方丈)裏の間と縁側杉戸一式の障壁画制作を依頼。それに応じた岸駒の指揮のもとで、岸派一門が障壁画を完成させたことが知られます(『年中記録』)。本品の原画は、これとも関わって、法堂の再建にあたり、天龍寺から岸駒に依頼された天井の蟠龍図ということになるでしょう。ただし、この岸駒の蟠龍図を天井画として再建された天龍寺の法堂は、元治元年(1864)の蛤御門の変の兵火で再び焼失しており、今は天井画の実物を確認することはできません。この岸連山の粉本により、絵の様式などに理解を得るのみならず、その復元も可能となってくるのです。

2024年度秋季企画展案内

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